なぜ暮らしをシンプルにすべきなのか

マーク・タリーはサティシュ・クマールの近著を楽しんでいます。

翻訳:フリッツ 郁美


「シンプルに優雅に:良く暮らす方法 (Elegant Simplicity: The Art of Living Well)」

サティシュ・クマール著 

New Society Publishers, 2019

ISBN:9780865719101


サティシュクマールの新しい書籍「シンプルに優雅に:良く暮らす方法 (Elegant Simplicity: The Art of Living Well)」は叡智に溢れるものです。単純さは容易さと一致し、単純なと言えば容易なを意味できます。それでもサティッシュは単純さの追求が、最も深く、最も内側のレベルで暮らすための鍵であると主張します。 これは難しいことです。なぜなら、1 つは、私たちの所有物と富を合理的な快適さまで減らし、手に入れたい欲求と戦うことが伴うからです。今日の消費者社会が刺激している欲求です。 私たちはサティッシュの言葉で学ばなければなりません:「所有物を最小化し、快適さを最大化することには本質的な優雅さがあります」。それはあなたが必要としているものより多くの所有物を得ることは洗練されておらず、快適さのためにはならないということです。 それがもっと明白だったとすれば、それが学ぶのにより簡単なレッスンであったとすれば、私たちがどれほど違った世界に住んでいたことでしょうか。

 サティシュの解釈する単純さとは、私たち自身を不必要な物の所有から解放することによって生活を雑然としないようにすることを遥かに超えたものです。彼は言います「精神的なレベルで、感情や人間関係のレベルで、家、服、そして食物のレベルで — あらゆるレベルで — 私たちは尋ねなければならない、どうすれば人生をシンプルにできるのか?」

 私たちは自身の考えや心に尋ねなければならない、と彼は主張し、そして彼は名声、そして権力への野心が私たちの心をいかに複雑にするかを説明します。 これらの野心は今日のセレブ文化によって促進されています。

 サティシュの引用しているバガヴァッド・ギーターでは「成果を望まずに行動するべきだ」と教えています。 そのように行動することを厭わないということは、私たちができることや、すべきことをやめさせる身動きできないような失敗への恐怖と、私たちよりも成功した人々の卑劣な嫉妬を避けることです。

 私が「確実性の不確実性」と呼ぶテーマは、この本の中にあります。 サティッシュは言います。「スピリチュアルな探求者は常に旅をし、巡礼をして、真実と悟りを求めています。 『答えを見つけた』と言えるような場などないのです。」言い換えれば、私たちが固執している信念や考え、概念、教義で、私たちの心が詰まってはいけません。経験をもってそれらを調整することを拒んだり、疑問を抱いて、それが唯一の答えではないと認めることを拒んだりして詰まってはいけないのです。

 不確実性を受け入れるには謙虚さ、あなたが間違っているかもしれなと認める謙虚さが必要です。 サティシュによると、 「単純さは謙虚さにつながります。 謙虚さは、正しい関係、正しいコミュニケーション、正しい理解、正しい評価につながります。」

 彼は科学者とスピリチュアルな探求者たちが互いを必要としていることを理解するために謙虚で寛大であることを呼びかけます。 科学者たちは科学がすべての答えを知っているという印象を与えることが多く、スピリチュアルな探求者は彼らに物申す何かが科学にあることを否定します。

 シンプルに生きることは、私たちの個人的な生活や自分たちの関係性の問題にとどまりません。 私たちは社会や自然との関係について気遣わなければなりません。

 それを明確にするために、サティッシュは今世紀のための新しい三位一体を提案しました:土、魂、社会。 土は私たちに自然への依存を思い出させます。 これは私たちが20世紀(サティシュは経済の世紀と呼びます)に忘れていたものです。 魂は私たちが気にかけなければならない私たちの精神的健康の象徴です。

 それから私たちの関心事は私たちが住んでいる社会に広げられなければなりません。サティシュは言っています、「人間規模の社会はスピリチュアルな急務です。」

 サティシュの本は、最高の意味で適切にシンプルです。 フリッチョフ・カプラ (Fritjof Capra) が序文で述べているように、同著はエレガントなシンプルさで書かれており、サティシュに多大な影響を与えた E.F.シューマッハの有名な著書の題名を借りると、「当惑する人のためのシンプルなガイド (A Guide for the Perplexed)」となっています。これは、この、当惑の時代に必要なガイドです。

マーク・タリー (Mark Tully) は、元 BBC India の特派員であり、「India:the Road Ahead」の著者。








リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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