上手に教えるため、互いに学ばねばならない

サティシュ・クマールは教育の改善について書かれた本を楽しんでいます。ニーラ・ハンダ (Neera Handa) 著「国際化を通じた持続可能性の教育:国境を越える知識の交流と地球市民 (Education for Sustainability through Internationalisation: Transnational Knowledge Exchange and Global Citizenship)」(パルグレイブ・ピボット社 2018年 ISBN:9781137502971)

文:サティシュ・クマール

翻訳:馬場 汐梨

オーストラリアの西シドニー大学の特別研究員であるニーラ・ハンダが、ホリスティック教育に関するとてもタイムリーな本を書きました。タイトルは長いですが、その本の主題についてよい説明をしています。この本は、地球市民教育と民主主義についてのパルグレイブ・スタディーズシリーズの一部です。

 もし私たちが平和で持続可能な新しい世界秩序を作りたければ、まず教育から始めなければなりません。現在の教育システムは、現代の物質主義や経済成長パラダイムに沿わせるように若い人々を育てます。私たちの学校や大学は、人生のためよりも仕事のために若者を教育しているのです。このパラダイムの中では、人間の精神は何の役割も果たしません。ニーラ・ハンダはこのような教育システムはもう時代遅れだと指摘します。

 現在の人々の苦境や地球の不安定な状態の中で、この世界では私たちの教育についての考えをアップデートすることが求められています。私たちは自然環境の持続可能性や文化の多様性を豊かにするために、教えることと学ぶことを国際化する必要があります。東洋は西洋に学び、西洋は東洋に学ぶべきです。世界観を育て、狭い国益を突破しなければなりません。もし私たちが学ぶ過程でそのように広い視野を持っていれば、地球市民の素晴らしい理想を発展させることができるでしょう。

 著者は古代と現代のインド文化からたくさんの発想を得て、古来の知恵やスピリチュアリティが私たちの時代にもかなり妥当だと示しています。彼女はインドでの革新的な実験のよい例をたくさんあげ、人間と自然や、さまざまな人間の文化と文化のより調和のとれた関係を樹立するのを助けるホリスティックな考え方への道を表しています。彼女は、確固としたエシカルな基礎がある場合に限り、私たちは健全な社会および環境の仕組みを構築できると示しています。

 この本は豊富な記載や引用、実践的なアイデアが書かれています。これらは教師や大学研究員、教育研究者の役に立つでしょう。

サティシュ・クマールはシューマッハー・カレッジの共同設立者です。

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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