今号のストーリー

今回のテーマである「野生の呼びかけ」は、ある詩から始まりましたが、ネットで調べてみる価値は十分にあります。その詩とは、メアリー・オリバーの『Blue Horses』収録の「If I wanted a boat」です。簡単にまとめると、自分の心の中、生活の中、選択の中、そして読み物(リサージェンス&エコロジスト誌)の中にも「野生の場所」を見つけようというものです。

 今号の船出をしたとき、私たちが予想だにしなかったのは、このテーマがとても豊かで輝かしいもので、何度も何度も雑誌を埋め尽くすことができたということです。そして、以降のページをご覧いただくと、このテーマが、テーマページでは収まりきらず、喜ばしいことに、他のセクションに溢れ出ていることにお気づきいただけると思います。

 この5/6月号全体を通して、誘いましょう。「あなたにとって野生とは何か?」

 アーティスト/写真家のジム・ノウティン(今回の表紙でも壮観な作品を提供してくれました)の絵画や彼との対談を読んで、「野生」という概念が彼の作品にどのように作用しているかを知ることができますし「知恵と幸福」のコーナーでは、謙虚なタンポポとして知られている「the golden misfit」に無我夢中になれます。

 アートライターのPLヘンダーソンは、魅力的な子供向けキャラクターで知られる作家のドラマチックでワイルドな世界を紹介し、クラフトライターのアニー・ウォーバートンは、見過ごされがちなコミュニティ(特に介護者)と、世界が立ち止まって注目することのない野生植物の回復力を、とても感動的に結びつけた陶芸家の作品への喜びを語ってくれました。

 今号は、私の机から離れるのが残念なほど、ワイルドで魅力的なものがたくさん詰まっています。しかし、それがあなたの手元に届くことを、私はいつも通りうれしく思っています。

 毎号、雑誌を作るために舞台裏で懸命に働いてくれる優秀なチームに、いつもながら感謝の気持ちでいっぱいです。そして、もし私たちの自画自賛を少しばかり許していただけるなら、私のスーパーヒーローの一人であるスピリチュアル・ライター、元修道士、心理療法士のトーマス・ムーアの言葉を紹介します。

 「その美しさ、知性、明快さ、そして絶対的な社会的妥当性において、『リサージェンス』はこの上なく優れた雑誌です。私がいつも隅から隅まで読んでいる唯一の雑誌です」

 もう、この文章のタトゥーを手首にでも入れようかと思っています...。

 メアリー・オリバーの詩の全文は tinyurl.com/mary-oliver-boat でご覧いただけます。

スーザン・クラーク

リサージェンス&エコロジスト誌の編集者

(翻訳校正:沓名 輝政)

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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