祝宴の時、断食の時

私たちの日々の食事は旬を反映し尊び、際限ない消費ではない。ジュリア・ポンソンビ。

翻訳:佐藤 靖子

北半球では冬の季節に入ると、1年で最も日の短い日、明るい時間より暗い時間の方が長い時に向かっていることに気付きます。冬至を過ぎると、明るい時間は次第に長くなります。お祝いすべきことかもしれませんね?

 古代ローマの異教徒の世界では、不屈の太陽(Unconquered Sun)(Sol Invictus:無敵の太陽神)の祝祭日は12月下旬と1月初旬に合わせました。今日キリスト教徒の世界では正義の「太陽Sun」(息子 Son)が世界に生まれた瞬間という概念を祝っています。こうして、光の登場が事実上も、そして例え話としてもクリスマスー公現祭の起源として祝われました。こうしたお祝いには祝宴がつきものでした。

 北半球で1年のこの時期と一致する天文行事は、前近代の出来事として非常に重要なものです。冬至が古代エジプト人によってオシリスの誕生日を祝う時と考えられていたことも、古代ギリシャ人によってディオニュソスの誕生日を祝う時として、スカンジナビアの古代スカンジナビア人によって女神フレイヤの誕生日を祝う時として考えられていたことも驚くには当たりません。11月~12月の期間に当たるものに、ユダヤ人がエルサレムの神殿の再献納を祝う、ハヌカがあります。「光の祭り」としても知られています。インドには、ほぼ同じ時期にヒンドゥー教の「光の祭り」、ディワリがあり、イギリスで11月5日に行われるボンファイヤー・ナイト (Bonfire Night) を彷彿とさせる花火が最後を飾ります。こうしたお祭りは全て世界に光が再来したことを歓迎する喜びに関するものです。

 今日では、私たちのライフスタイルは自然や季節ごとの指標となる事柄から大きく離れてしまいました。それらはかつて広い屋外から直接、日々私たちの意識に入って来ました。。。次第に暗くなっていく空、寒さ、痩せた土。私たちはこうしたもの全てに気付き、もっと悩まされたことでしょう。室内の暖房や明かり、温室、ふんだんな在庫があるスーパーマーケット、人と食べ物の国際輸送などの形でもたらされる近代の覆いがなければ。

 永遠に潤沢にあるという誤った感覚を与える化石燃料の消費は、私たちにはそれが何であるか良く分からないという別の不確定要素を表しています。エネルギー供給は、現代世界において私たちが知覚するニーズ、「全体の」ニーズに対し非常に円滑に調整されるため、それを有限な物として見ることを妨げられてしまいます。快適さを作り出すために、資源が収奪される方法を私たちは認識していません。電気 - 容器の中の日光 - はスイッチボタン一つで電源を入れることができ、そこに季節はありません。

 伝統的に、祝宴は自然や、歴史的、宗教的、個人的な行事の指標として発生しました。祝宴は1年のうちで人々が景気づけを必要とする時期によく催されました。集まって太陽の光の再来を祝い、更には来る年の植物、動物、鳥や蜂の世界の繁殖を歓迎しました。祝宴は社会的な結束の確認と関わっており、また、自然や文化の暦の周期的な潮の干満、そしてそれらがいかに密接に絡み合っているかを思い出させました。また、祝宴には媒体としてその季節に適した食べ物が用いられました。そのため食物の乏しい冬は、ドライフルーツやナッツ類が祝宴のために作られる砂糖菓子の主な材料でした。一方、春はアスパラガスのような大地からいち早く出てくる新しい芽が祝宴を祝福することができました。

 今日、私たちは地球の資源のごちそうを楽しむ祝宴の最高潮に達しました。これは、狂ってしまった祝宴と断食の行動様式を、制御し、尊敬の念を持って再構築する必要があることを象徴しています。ここで断食(祝宴の対立法的手段)が効果を発揮し始めます。祝宴の準備をする時はいつも、一歩下がって、自制して、人生を一休みする必要があります。立ち止まって考えます。胃を休ませて、脳が再び焦点を合わせられるようにします。断食はダイエットではありません。断食は悪い習慣に気付くこと、予期することであり、それを止めることです。だから冬至の祝宴(もしくは何か他の祝宴行事)の前に24時間断食をすることにするなら、化石燃料の断食もしてはいかがでしょうか?

ジュリア・ポンソンビ (Julia Ponsonby) はシューマッハーカレッジの食料部門の代表で「Gaia’s Kitchen, Gaia’s Feasts and The Artof Mindful Baking」の著者。彼女の旬のレシピは リサージェンスのハームページをご参照 www.resurgencejapan.com


購読登録はこちらからどうぞ。


Time to Feast, Time to Fast • Julia Ponsonby

Our daily diet should reflect and respect the seasons

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

0コメント

  • 1000 / 1000