思いやりのあるコミュニティに向けたマニュフェスト

より思いやりのあるコミュニテイ創造の呼びかけ。(ジュリアン・アベル&リンゼイ・クラーク)

翻訳:坂井 晴香

このマニュフェストは全ての人への呼びかけです。私たち全員に備わる人間の基本的な性質としての共感を認識する(その可能性であれ、その度合いがどうであれ)ことで、より多くの思いやりのあるコミュニティを創造するように呼びかけることです。

 私たちは皆、友達や家族を大切にします。私たちは思うままに、隣人や困っている見知らぬ人に親切に接し、手助けをします。そして、そうしたケアは友情や信頼関係の基礎となります。このような心からの親切がなければ、どんな程度の人道的社会も全くありえません。しかし益々世界中で、強欲、嫉妬、不寛容、暴力、抑圧、不安によって社会が支配されていると見てとれます。個人のレベル、組織化されたグループや国家活動においても、共感や感情リテラシーの失敗をそうした発展が反映しています。

 そのため、このマニュフェストは行動を呼びかけます。

 個人的なもの、公的なもの両方に対する、全ての暴力や侵略へ挑戦し、拒否することを個人に呼びかける一方で、思いやりのあるコミュニティのマニュフェストは次のことを主張しています。私たちの生活で重要なあらゆる面、たとえば、教育、ビジネス、健康や福祉援助において、宗教において、地域、国家、国際間の政治において、私たちの生活を持続させる自然環境への適切なケアにおいて、人間の共感という基本的な価値を促す政治活動を体現する社会活動の必要性です。

個人の生活における思いやりのあるコミュニティ

 お互いへのケアが唯一の人間社会の正しい基礎です。家族、友達、隣人やコミュニティへの親切は自分本来の人生を生きる真の基礎であり、生活の質の基礎でもあります。それぞれの人には周りの人への責任があり、思いやるのあるコミュニティは私たちにこの責任を重視するよう呼びかけます。これは問題への解決策として、暴力や抑圧から転換することを意味します。人間の親切さによって支えられた対話や協力へ力を注ぐことによって、困難が解決されるにちがいないと主張しています。

 身体的、性的もしくは心理的なものであれ、感情や渇望は人間の現実として存在します。しかし、暴力や攻撃という行動は、共感や感情のリテラシー、つまり私たち全てが生まれてから死ぬまでに育まれる必要がある性質が欠如しているということです。感情リテラシーは、慈悲によって立つよりも、様々でしばしば難解な感情を尊重する方法であり、思いやりのあるコミュニティという生活において、基本的要素です。より広範な社会の人種、ジェンダー、セクシャリティー、政治、宗教の多様性を賞賛する一方で、身体的、性的もしくは心理的な害を引き起こすことなく、感情を表現する方法を探しながら他の人をケアすることで、個人レベルにおける人種差別、性差別やその他の抑圧を思いやりのあるコミュニティは拒否しています。

教育における思いやりのあるコミュニティ

 本来の教育は知識の習得以上のものです。道徳的な目的があり、それ故に、共感を育むことが教育プログラム全てにおいて必要です。これには、難解な感情を扱う熟慮した方法としての感情リテラシーの価値を教育することが必要で、さもなくば引きこされる害を避けるのです。

 情報は電子メディアへのアクセスを持つ全ての人に、今では利用可能です。そのため記憶した知識を呼び起こす能力は、調和のとれた社会において、もはや必要とされません。私たちが学ぶべきことは、この情報にアクセスして賢く使うスキルです。思いやりは相手の感情を想像する行為ですので、想像力の創造的な活用は子供たちにとって身に付けるべき道徳的なスキルです。彼らが、自分たちの生命を支える自然環境への感性を育てつつ、他者、コミュニティ、最終的には彼ら自身の子供たちを適切にケアするとすれば、身に付けるべきです。

ビジネスとメディアにおける思いやりのあるコミュニティ

 利益はビジネスが存続するための前提条件です。ただし、思いやるビジネスの責任とはただ利益を生み出すことだけではありません。ビジネスは雇用者をケアする必要があります。ビジネスは、私たちの子供やその子供のためにより良い世界を残す活動を確実にする必要があります。つまり人々と自然環境の健康や福祉を傷つけないビジネス手法を確実にすることです。

ストレス、病気や損害時の支援を含めた被雇用者の福祉と士気への適切なケアを確実にする思いやりのある職場方針。

ビジネス活動が環境の改善を支援し、どんな環境的損害も避け、修復するために信用に足る作用をしていることを確実にする環境へのケア。

汚職の拒否。他者への影響に関わらず、汚職は共感の欠如をもって使われるもの。それは個人が賄賂を与え、受け取ることで、双方における強欲のあらわれです。

 定義の上では製品、例えば軍事産業の製品。それは、人間や環境に害を引き起こもので、思いやりのあるコミュニティの世界においては、どこにも見つかりません。

 平等、共感、ケアという人間の価値を促進し、搾取、人種差別と抑圧の広がりを避けるように、思いやりのあるコミュニティは全てのマスコミュニケーションメディアに呼びかけます。。。

(全文はバックナンバー購読にてお楽しみください)

Article - A Manifesto for Compassionate Communities • Julian Abel & Lindsay Clarke

A call to create more compassionate communities

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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