本当に重要な豊かさ

人々と地球には新しい経済が必要

このリサージェンス&エコロジストの出版準備がされている丁度その時、英国の財務大臣である、フィリップ・ハモンドは財政演説をしていました。コメンテーターはより細かい点を指摘し、主要政党は本質的に似通った景気見通しを応酬していました。

 他の意見を聞く時です — 人類とこの惑星を、使い古された持続不可能な新自由主義経済と無限の「成長」を絶えることなく唱え続けるマントラ以前へ誘う見解を聞く時です。したがって、この号の基本理念の記事では、有力なエコノミストであるティム・ジャクソンの、新しいタイプの(持続可能な繁栄の)経済についての彼のアイデアで提示しています。

 「疑念がある成長は、少数過激派、理想主義者、革命家の行為とみなされている」とジャクソンは書いています。「しかし、問いを投げかけるべきだ。いつものように仕事に復帰することは選択肢にはない。生態学的破壊と永続的な社会不正を基にした少数の人々の繁栄は、文明社会の基盤ではない。」

 代わりに、彼は、「繁栄には、社会的、心理的に重要な側面がある。成功するという事は、ある面では、愛情を受けて与えて、仲間からの尊敬を受け入れ、役立つ仕事に貢献し、あやふやな事に直面しても安心し、コミュニティに所属し信頼する感覚を持つといった能力だ。 これからの経済は工業生産を促し株主の利益をもたらす以上の事をしなければならない。」と言っています。限りある地球の中で人々が人間として繁栄する能力を与えるものでなければなりません。

 リサージェンスが50年以上前に設立されて以来、本誌が明示してきた目標の内のいくつかがこちらです。「スモール・イズ・ビューティフル」という考えの先駆者のE. F. シューマッハーやレオポルド・コールのような思想家の支援により、自然とより調和のとれた社会への提案に賛同し、思慮のない、競争のある消費者主義を一貫して拒否し続けてきました。

 これらのアイデアは今号に広く花開いています。ジョンとディビット・エアレンフェルドは、気候変動やその他の環境問題へのローテクな解決策の事例を提案しました。 ヴィヴィアン・ウッデル (Vivian Woodell) は協同主義の価値を明らかにします。シーラ・エルワージーは平和の経済学を概説しています。バルセロナのマヤ・クマール・ミッチェル (Maya Kumar Mitchell) のインタビューで、急進的なエコノミスト、フィカ・スクロバ (Filka Sekulova) は 脱成長の事例を提起しています。

 アイデアは至る所に。私たちの芸術のページでは、英国の素晴らしい木版画彫刻家の一人であるロッド・ネルソン (Rod Nelson)が、大波のイメージで自然の力を永続的に明らかにしている日本の工芸の巨匠 、葛飾北斎に敬意を示しています。私たちは、ブラジルの芸術家ナラ・ギション (Nara Guichon) の作品を紹介します。漁業の有機堆積物を再利用して印象的な織物を作り出しています。そしてアリス・シャープは海との関係に触発された新しい展覧会を紹介します。詩はポーランドから、そしてリサージェンス詩歌賞の受賞者のものも。

 豊かな読書、それから願わくば豊かな価値が長く残る事を。

グレッグ・ニール 編集長

フリッツ 郁美 翻訳

Wealth That Really Matters • Greg Neale

We need a new economics, for people and planet

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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